春待雪

紅梅

 

数十年前のある冬の寒い日、一人の赤ちゃんが生まれました。
赤ちゃんは女の子。

女の子の誕生のお祝いにと両親の友達が紅白の梅の苗を贈ってくれました。
お父さんはその梅を大切に庭に植えました。
時が流れ、白い梅はいつのまにか枯れてしまいました。
梅を大切に育てていたお父さんも天国へと旅立っていきました。

今ではとても大きく育った紅梅はシンボルツリーとして お母さんのお庭で一番大きな古株となりました。

 

その年はいつになく寒い冬でした。
梅と一緒に育った娘も大人になり、その年の冬をお母さんのお庭のこの紅梅と共に過ごすことになりました。
ある朝目が覚めると外はもう何年もなかったくらい雪がズンズンと降りしきっていました。

娘はカメラを手に撮り、ふんわりと白い雪に包まれた、自分の分身の梅を写真におさめました。
真っ白な雪に包まれ、凛と咲く紅梅に自分自身を重ね合わせながら。

 

紅梅

 

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春待雪 への4件のコメント

  1. ひろ より:

    娘=紗知子さんなんですね、きっと。

    梅の被る雪、ウチの方では無いけど綺麗。
    先に枯れた白い梅が雪になって降ってきたのかもしれませんね。

  2. sachiko より:

    ひろさん
    はい、私の梅です。
    例年暮れか、お正月には咲く早咲きの梅なのですが、今年はまだ三部咲き、と言ったところでしょうか。

    そうですね、白い梅が雪になって降ってきてくれたのかもしれません。
    そう思うと、気持ちが柔らかくなる気がします。
    ありがとうございます。

  3. しげ より:

    こんばんは。
    とても良いお話ですね。
    そして、ソフトフォーカスの梅の花と雪がとても綺麗です。
    僕はまだ撮ったことがありませんが、これはとても魅力的だと思いました。

  4. sachiko より:

    しげさん
    こんばんは^^
    梅を切り倒して物置小屋をつくる、という話もあったそうなのですが、この梅は切らせない、と母が守ってくれた木です。離れて暮らしている私を案じてくれていたのでしょうか。

    雪はこのあともずっと降り続いたのですが、梅に雪が積もっていたのはこの一瞬で、このあとすぐ、枝の雪は溶けてしまいました。
    つい最近、ソフトレンズを頂いたんです。マクロとは違った魅力があるんですね。

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